公開: 2024年6月11日
更新: 2024年6月11日
人間が集まって構成社会では、人と人との間に成立していると考えられる共通の理解が無ければ、その社会は成り立ちません。人間社会では、社会の構成員全員が、その共通の理解に従って行動することが前提となっているからです。例えば、物を買うとき、買う人はお金を支払うこと、物を売るとき、売る人はその商品の所有権を渡すこと、を前提としています。支払いに使ったお金が、贋金(にせがね)であるとか、渡した品物が偽物(にせもの)であるとかすることは、詐欺行為であり、その行為をした者には、社会的な制裁(せいさい)が与えられます。社会的な
このような社会的な枠組みを、現代の国家では、「法」と呼び、その法を守らなかった人には、社会的な制裁、すなわち刑が、国家の権力によって課せられます。法に定められていない場合でも、真実でないことを、あたかも真実であるかのように述べることは、「嘘(うそ)」を述べることとして、厳しく倫理的な規範で禁止されているのです。ここで、倫理的な規範とは、宗教の教えや、徳の教育、「しつけ」などを言います。
特に、経済活動において、社会に成立している「信用」を、『毀損(きそん)する』行為を行うことは、社会の経済システムの機能を破壊する行為として、国家的にも規制され、それが発生した場合には、国家の権力によってその犯人が追及され、社会的な制裁を受けることになっています。